高橋 昌一郎 著 「理性の限界」読後感想

一見数学や物理の啓蒙書の様にも見える哲学の本。

構成は、アロウの不完全性定理ゲーム理論などが紹介される社会学的な意味合いの強い話題が紹介される「選択の限界」、量子力学における観測の解釈問題や自然科学の流儀にあれこれいちゃもんをつける「科学の限界」、ゲーデル不完全性定理など論理学的な話題が紹介される「知識の限界」の 3 部からなる。

一般公開のパネルディスカッションの様な会話形式で書かれており、(仮想の)専門家/思想家が話題を紹介し、素人から質問が出て、それに専門家/思想家が答えるという流れが基本である。また、登場する仮想の専門家や思想家はことごとくアクが強く、自分の好きな話題へ脱線しようとするが、司会者が巧みに(というか無慈悲に)軌道修正させていくくだりも多く、皮肉たっぷりでもあり痛快でもある。

非常に平易でスラスラ読めるが、ゲーデル不完全性定理を除き解説と言っていいレベルの記述は無く、結果とそれらに対する哲学的コメントの紹介で終わってしまっている。

素人向けの入門書や啓蒙書を読むことを料理を食べる事で喩えるならば、この本読むことは料理の名前とその写真、数行の売り言葉だけからなる通販のカタログを眺める事に喩えられると思う。

この本で紹介されている話題に興味があるのであれば他の啓蒙書なり入門書を読むことを薦める。この本は、あくまでこれらの話題を肴に哲学を語る本である。ただ、著者が意図したかどうかは知り様もないが、読者にこれらの話題を知った気にさせてしまう危険な本であると思う。

少なくとも物理や数学の視点からこれらの話題に興味があって理解したい・知りたいと思っている人にはお勧めできない。哲学的な議論に興味がある人にはいいのかもしれない。

個人的にはジェイムズ D.スタイン著の「不可能、不確定、不完全―『できない』を証明する数学の力」が大変楽しかったのでこーいうタイトルの本も悪くないもんだと思ったのですが、趣味に合いませんでした。

[その他] 我が身に降りかかりました

私が住んでいるマンションに「スーパーマグ」なる浄水装置が導入されることになったそうな。ちなみに供給会社と詳細な商品名は不明です。理事会議事録によれば「川崎市伊達課長が川崎市汚水処理場の責任者だった際に『電磁力により水の H2O がクラスターされ給水、排水が浄化されることは事実である』と確認した」とあります。あ、そうですか、そうなんですか。あまりにベタベタ。

配水管清掃が 3 年位に 1 回になる予定だそうです。『3 年位』が半年くらいに縮まらないことを祈るばかりです。祈りは通じませんが。

川崎市に問い合わせたら答えてくれるかなぁ〜。答えてくれない、もしくは事実無根と言われるかのどちらかだろうなぁ〜。

とりあえず常識だろうけど以下の URL を挙げておきます。

http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.html
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/forum.pdf
http://www.janjan.jp/culture/0510/0510224152/1.php
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/fs/

クラスター超純水!?

Tech-OnSilicon Online の記事で、「洗浄工程に新概念の“クラスタ”超純水」との題目あり。あの(悪い意味で)高名なクラスター水を連想させるではありませんかっとドキドキしながら記事を読む。そして、製造会社の Web ページの説明スライド(パワーポイント)を読む。

で、問題の「クラスター」は超純水に微小に溶かされたアンモニアの各アンモニウムイオンの正の電荷に引き寄せられて集まった水分子の集団を言うらしい(水分子は分極するからこれはあっても OK でしょう)。

言葉で説明するのは難しいので、スライド(パワーポイント)の 4 枚目を見てください。

いうなれば、誘電体の中にぽつぽつと正電荷を埋め込んだときの分極の様子に似てるっていうか、そのまんまっていうか、そんな感じ。水が静止して居れば。もちろん、液体と固体だからちょっと違うけど。

なにはともあれ、正電荷の核があるおかげで水が「クラスター」を形成できるという、水に磁場をかけてどうのこうのとか、水分子が自発的に長寿命のクラスターを形成しているとかそういう、いわゆるトンでも系のクラスター水とはぜんぜん別物で安心安心。

そうそう、クラスタ水を検索してたら「KAWAI clinic kyoto JAPAN」って過激な web ページを発見しました。子気味よくてついつい読みふけってしまって危険です。

ついでだから「『水からの伝言』を信じないでください」も宣伝しときます。みんなわかってるだろうけどね。

私だけ…?

「新元素発見」は「発見」よりも「生成」
の方が適切な気がする。

だって、新聞によれば

カリフォルニウム(原子番号98)に
カルシウム(同20)のイオンを大量に
当てた結果、118番元素が3個発生。

だもんよ。作ってない、これ?

想像どおり!?

調べ物して、わき道にちょいとそれて見つけました。

「実施例」実施してますか?(日経ものづくり -- Tech-On!, 2006.5.16)

思いっきり想像通りでなんだって事でもないですが、特許が多分に学術的なものであるとむげに主張する人が居たらこー言う事を教えてあげると…ってそれで分かるくらいなら初めからそんな主張しないか!?

やっぱそうっすよね

特に因数分解とかって慣れですよね、リフティングだって毎日30分ほどの練習を続けたら1ヵ月後にはそれなりに出来るようになるでしょう。

[ 高校数学の因数分解を高速にやるテクニック(プログラミングではなくて頭で)を教えてください。