Feynman ダイヤグラムの物理的解釈をあたかも『現実に起こっている事なんだよ』と言っているような風潮*1に意見してみる。

> [質問ID:1111552249] なんで光子をやりとりすると電磁気的な力が働くのか?(もの凄い意訳)

ブルーバックス的にはなんて言えばいいかなぁ…と考えたが撃沈。っていうか、光子を放出・吸収するやりとりの結果として電磁気力が働くってのは QED*1を、摂動論を使って扱う際に現れる各項に(ある意味)強引に物理的解釈を付けるとすると、そう解釈も出来るってレベルの話なんだと思うけどなー。

とりあえず、QED の有効ポテンシャル(だったと思う)にクーロンポテンシャルが出て来るって話は大昔(5 年位前)に受けた講義に出て来て自分も確認した気がするけど、自分が場の量子論を勉強した本*2には載ってなかっと思うし…、今度素粒子の友人にでも訊いてみよう。残念ながら日本語の本は無いだろうなー。(ちゃんと教えてもらって確認したらリンク張りましょう。)

っと思ったところで、でも QED の相互作用項の形から電子同士に働く力の起源を説明するには『光子を媒介にして力が働く』としか言いようのない自分を発見(しかも、ブルーバックス的な説明は出来ない…)。あ、でも光子を媒介にしてとは言うけど『片方の電子が光子を放出して、他方の電子がその光子を受け取って…なんて事が行われた結果として力が働く』ってとこはやっぱ言い過ぎなんだと思うんだよねー。人によっては『時間の不確定性の範囲内でのやりとりだから観測できない』とか言うけど、そんな言い方もずるいと思うし、『観測できない』=『そんなの確認できない』だから結局意味ないと思うんだけど、どうなんでしょう???(とかいって、実際観測で検証されちゃったりして…)

*1:もちろん標準理論とか QED を含む場の量子論なら何でもいいけど。

*2:F.Mandle and G.Shaw, "Quantum Field Theory," J.Wiley and Sons Publishing, (1984).